羊のうたの電子書籍コミックレビュー
高城一砂は両親がおらず叔母の家に居候の身。けれどある日、突然自分の姉だという人物と出会います。彼女は千砂といい、「私たちの家系は吸血鬼なのよ」と意味深な言葉を一砂に残します。
「高城家」に代々伝わる奇病に苦しむ千砂と一砂の物語です。
私が好きなシーンは千砂が、看護師だった女性に
「わたし達は牙を持って生まれた羊なのよ」というシーンです。
彼女はその持病から逃れられないながら、気丈に生きて来ましたが、この言葉がどれだけ彼女の中で、その病気が辛く悲しいものだったかが伺えて、胸が詰まります。
そして一番の見どころはラストシーンです。
一砂が千砂に寄せる想いと、怖ろしい病気を持った「高城家」の末裔の生き様がたまりません。
読んだ後しばらくは、心から離れません。