ブラックパラドクス 漫画ネタバレはじまるよ。
伊藤潤二さんの漫画はとても面白い。全集を買うくらい好きなのですが、その中
でも「首吊り気球」や「道のない街」などにみられる『予兆以前のスタート地点』から
始まる物語があります。何れも傑作であり、このタイプの物語構成に私は伊藤
潤二さんの類稀なる個性と才能を感じます。
どんな考えでこんな所から物語を作るのか?興味が尽きません。主人公たちの行動
とは関係なく、緩やかに、無表情に変貌してゆく世界の不気味さがあります。
さて、本作もそんな『遠い所』から物語が始まります。気付いてみると予想もつか
ないところに来てしまった感があり、何でこうなったのか見返してしまいました。
それでも破綻しないで成立するのも伊藤潤二漫画の面白いところです。
ファンとしては点数にすると85点くらいですが伊藤潤二さんを知るには十分
お勧めできる作品。